お茶をのみに来てください♫

子どもの育ちにそって大人と子どもが一緒にあそべる「わらべうた」の世界。保育や子育て支援の現場でわらべうたをしてきた「ゆずりはわらべうたインストラクター」の仲間たちが、日々思うこと、活動報告、あそびのアイデアなどを綴ります。

「わらべうた」は魔法? 

久しぶりに入った1歳児クラスで9月から入園してきた女の子の観察を頼まれました。

彼女は1歳7か月なのですが、寝返りをしないままにやっとよちよち歩きを始めた状態でした。

 

私がクラスに入った時には棚の前におもちゃを出して150度くらい両脚を広げて体を支えて遊び、移動は脚を広げたまま舟の櫂の様に左右の足を動かしてお尻を移動させていました。

 

多少、関係が出来た段階で、数メートル先から「おいで!」と身振りで示すと

よちよち歩きでやってきます。

1歳近くになって歩き始めた子どもに行う様に指を持たせて一緒に歩いてみました。

両足が開いての歩行姿。

ジャンボクッションを両側において「少し狭い道」の間を通ってみると、ぶつからないように足幅を調整して歩く様子が見られました。

 

そこで、私が足を伸ばした上に座らせ、わらべうたの♪あしあしあひる♪を歌いながら

彼女の足裏に手を当てて、足の屈伸運動を繰り返してみました。

嫌がらずに行うので何回か繰り返し、夕方お迎えに来たお母さんにもわらべうたのコピー(「わらべうたと子どもの育ち」P129)を手渡して「もし時間があったら一緒に遊んでね」と伝えました。

 

翌日、クラスに入ると(そこの園は2日間、同じクラスを観察します)彼女が部屋の中をあちこち歩いています。

前日に部屋の空間を変えたこともあって、歩く見通しがつきやすくなったのかもしれません。そして驚いたことに落としたものをしゃがんで取る行為も見られたのです。

昨日はあんなによちよち歩きで、しゃがむことなど考えられなかったのに!

 

そしてジャンボクッションと布団で作った「山」を利用して彼女を斜めになるように寝かせ、足と肩をひねるように助けて寝返りの経験が出来るかな?と刺激してみました。

するとコロン!と寝返りを打って返り、反対側へも少しの手助けで体を転がしたのです。

担任もびっくり!「床ではやってみたのですが、斜めの方がやりやすいのですね!」と。

 

私も信じられないくらいの2日間の変化でした。

 

わらべうたって魔法? と思いたいくらいの変化! 

 

いいえ、子どもは真似て育つのです。ほんの少しの「みほん」と「助け」があって、育っていくのだと思います。

わらべうたは子どものためにあると同時に、ほんの少しの「みほん」と「助け」を大人がしやすくなるためにもあるのだとつくづく思わされた経験でした。

大人も子どもも楽しみながら…

 

お母さん、お父さんにもぜひ伝えたいですね。