わらべうた遊びは自由参加が原則ということが時々話題になる。
もちろん、昔に子どもだけで年嵩の大きい子が中心になって遊んでいた時には参加しても観ていても良しの自由なものだったと思う。
そもそも強制的にやりなさいという時点で「遊び」ではなくなる。
私は月に一回、保育園に出向いてわらべうた遊びの実践をしている。
4,5歳児に「やりたくなかったら、見ていてもいいよ。」と伝えるが,
ほとんどの子は楽しいので参加する。
そんな中、年長児のSくんは少し支援の必要な子とのこと。
今までも周りである程度、配慮していたよう。
♪かりかりわたれ♪ で手を繋ぐとサッと私の横に来てやりたい気持ち満々。
今回は4歳児も一緒で、次の場面での内容が期待外れだったようで プイっ と抜けてブロックをいじり始める。
遊びが変わるといつの間にか参加。
今度は ♪からすからす♪ の遊びで、自分のジャンケンの番がなかなか来ないので抜けて絵本を見始める。
周りの子は気にする様子もない。(Sくんはいつもそうだから…というような雰囲気)
どうしたものか。
「絵本は仕舞って、ここで見ていて」と、遊びをしている最中に伝える。
すると、座ってしばらく観ていたかと思ったらやっぱり遊びたくて入ってきた。
ジャンケンでは負けたけどそのまま遊べる。
その後、指遊び等をすると楽しんで参加する。
注意されてもジャンケンで負けても怒り出すこともなく行動できたことは成長だと感じる。
就学に向けても様々な場面で、遊びやクラスの中での約束事を守る事は大事だと思う。
私は4月からSくんの成長を観てきて、それができる力は備わってきていると感じている。
わらべうた遊びは仲間と繰り返し遊びながら社会性も育てていくもの。
何でも自分の思い通りにやっていいんだということではない。
一緒に楽しく遊ぶためには少し我慢してルールを守ることが必要なのだよということを目の前の子どもの育ちを観ながら伝えていく大事さを改めて感じさせてもらった。
繰り返し繰り返し楽しめるわらべうた遊びだからこそ、一人の子の変化を見続けて機会を見逃さず育てていかれるのだなと思います。
さて、次回のSくんはどんな参加をするのか、保育士はどうかかわるのか、周りの子はどうするのか。
Athuko