お茶をのみに来てください♫

子どもの育ちにそって大人と子どもが一緒にあそべる「わらべうた」の世界。保育や子育て支援の現場でわらべうたをしてきた「ゆずりはわらべうたインストラクター」の仲間たちが、日々思うこと、活動報告、あそびのアイデアなどを綴ります。

耳で聴く本

最近話題の「耳活」をご存知でしょうか?

 

生活の中での隙間時間の有効利用とのこと。イヤホンで聴きながら移動したり、家事をしたりすることのようです。

とても無駄のない素敵な情報の受け取り方だとも考えられます。何より、本を読む時間を作る事がむずかしくなった昨今、この方法があれば、沢山読むことができそうです。

 

けれども、私は少し立ち止まって考え込んでしまいました。どちらかと言うとのんびりゆっくり理解していくタイプの私には難しいなと思ったのです。

 

これはその人それぞれ違うと思いますが、例えば「誰かの声で」読まれてしまうと、その声で話の中のキャラクターが決められてしまいます。

録音する時の様子が紹介されていましたが、「この辺はもっと声色を変えて」など、プロはそこにご自身の個性も込めて録音されている様です。

 

私がなぜ難しいなとおもったかというと、私が一人で本を読む時に、私の中で起こっていることは、登場人物のキャラクターを自分で作り上げる事だったりします。

またそれは本を読む時の醍醐味でもあります。なので、誰かの想像したキャラクターを自分の中で一致させていく方が大変。そして、読み進めながらも立ち止まる事ができ、またその時に自分の考え方と擦り合わせたり、消化したりする時間を持ちながら、自分の中に情報を入れ、解釈していくという作業がしやすい。

そんな事を考えるとこの時間の速さについていけない私は難しいなと感じたのだと思います。

 

そんな事を考えてみると、絵本の読み方も、あまりキャラクター性を出さないことや、淡々と読むことで子どもの中に広がる想像性の余白を大切にすることなどと繋がっていくなぁと感じています。

 

私はそんな感性を大切にしたいと改めて思いました。

 

早いことや利便性ばかりにあまり目を向けすぎないことも気をつけ、大切な事はいつも振り返って考えてみることが、保育だけに限らず生活の中では大切なのではないかと思います。

 

耳から直接理解するシナプスも、時には刺激しておくことや、そんな脳も使ってみることも悪くはないと思っています。

 

「文明の利器は上手に使うこと」と言われた言葉を噛みしめながら。

 

ちょろ松