お茶をのみに来てください♫

子どもの育ちにそって大人と子どもが一緒にあそべる「わらべうた」の世界。保育や子育て支援の現場でわらべうたをしてきた「ゆずりはわらべうたインストラクター」の仲間たちが、日々思うこと、活動報告、あそびのアイデアなどを綴ります。

おやじ

ある日のこと。


おままごとコーナーでいつものように4.5歳児がさまざまな役になりきってあそんでいます。
今日はレストランごっこらしく、手前には飲食用のテーブル。

チューリップ柄のかわいいクロスもかけて、

重ねカップの一番小さいカップが伏せて置いてあります。

これは「呼び出し」のためのものらしいです。

 

「食べにきてね」と誘われたのでお客さんになって来訪してみると、

厨房内はとても忙しそう。

どうやらUber eatsの注文が入っている様子。

外から帰ってきた一人の子どもは「中の人間は裏にまわるわ」と言いながら、

奥に入っていくリアルさに思わず笑ってしまいます。

注文はもちろんiPad。「はい。少々お待ちください」と丁寧な対応。

 

そこへ、お客さんになって入ってきたある子どもが、「すみません。注文お願いします」と。お店の人が「なんにしますか?」と聞くと、

とても真面目な顔で「おやじください」と言うのです。一瞬にしてみんな動きが止まりました。

 

初めは、わざとおかしな事を言っているのかと思っていましたが、どうもその子の表情はふざけた素振りはありません。

 

「おやじ」ってなんだろう???
しばらく考えて気がつきました!

 

「おじや」だったのです。

 

その場で私はのけぞって笑ってしまいましたが、

本人は「あ、それそれ。」といたって冷静。

そして、「おじや」を知らない周りの子どもも、至って冷静に「少々お待ちください」と奥の厨房に入っていき、

お皿の上に何やらいろいろなものをのせて「おじやらしいもの」をつくり

「お待たせしました」と出していました。

 

その対応の柔軟さにも感服。なんだって作れちゃうのです。

 

こんなふうに生活の中で新しいメニューを知った子どもが、ごっこ遊びのなかで

「使ってみる」という体験はごっこあそびの醍醐味。

 

周りの「おじや」を知らない子どもたちも、今夜うちに帰って「おじやが食べたい」と親にリクエストするのでしょう。

 

(ちょろ松)